更新日:2003.10.10 

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プチ特集 どこで暮らす?どこで働く?

         〜都会のSOHO・田舎のSOHO〜

第5回

■〜田舎暮らしとはいうけれど〜
by まっつん 
 通信環境さえ整えば、どこでも仕事できるのがSOHOワーカーの強み。通勤地
 獄を鼻で笑って、緑豊かな高原や爽やかなビーチサイドで優雅に仕事してみ
 たいものです。

 ●○● 田舎暮らしとはいうけれど ●○●

 久しぶりに休日の取れた夫。「バイクでそこらをちょっと走らへんか?」
 行き先は、ここに越してきた直後、ドライブの途中に偶然見つけた美山町の
 喫茶店。美山町在住20年、ハーブ栽培の草分けとも言われる、業界では知る
 人ぞ知るオーナーが営むログハウス。

 暑くもなく、風を切って走る分、むしろ寒いくらいのドライブだったが、秋
 色の日差しの中、すすきの原っぱを抜けて、 650CCの派手な爆音を響かせて
 坂を上っていくと、数カ月ぶりでご無沙汰していたにも関わらず、いつもと
 変わらぬ笑顔で「懐かしいなあ、この音!」と出迎えてくれた。
 どうやらその日は、取材や撮影の人が来ていた様子で、奥さんは畑で草取り、
 オーナーは取材者や私たち一般客と淡々と話をしながら、焦る風もなく注文
 を聞くでもなく……。

 「注文しても良いですか?」頃合いを見計らって、夫が声をかけると「あ、
 いいですよ。」と厨房へ入っていったオーナーを同時に見て、顔を見合わせ
 て苦笑。他の店なら夫はきっと怒り出すだろうにと、互いに思うことは同じ。
 敷地内で摘んだハーブをブレンドしたハーブティは薫り高く、ひときわ体に
 優しくしみて、イチジクのタルトはいつもと変わらぬ懐かしい味がした。

 アルバムからはがした、バイクと一緒に写っている30年くらい前の若き日の
 写真を嬉しそうに見せて、オーナーは人なつっこそうに笑った。初めて来た
 人にも、おなじみさんにも無理なく変わらぬ態度で、相手が誰であるかとい
 うことなど気にもとめていない様子に、私だけでなく、ここに来る誰もが不
 思議な安堵感を覚えているのだろう。

 朝が来て、働いて、暗くなったら眠り、また朝が来る。そんな当たり前の日
 常を、懐かしく思い出させてくれる空間がここにある。
       



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