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プチ特集 どこで暮らす?どこで働く?
〜都会のSOHO・田舎のSOHO〜 |
第5回
| by まっつん |
通信環境さえ整えば、どこでも仕事できるのがSOHOワーカーの強み。通勤地
獄を鼻で笑って、緑豊かな高原や爽やかなビーチサイドで優雅に仕事してみ
たいものです。
●○● 田舎暮らしとはいうけれど ●○●
久しぶりに休日の取れた夫。「バイクでそこらをちょっと走らへんか?」
行き先は、ここに越してきた直後、ドライブの途中に偶然見つけた美山町の
喫茶店。美山町在住20年、ハーブ栽培の草分けとも言われる、業界では知る
人ぞ知るオーナーが営むログハウス。
暑くもなく、風を切って走る分、むしろ寒いくらいのドライブだったが、秋
色の日差しの中、すすきの原っぱを抜けて、 650CCの派手な爆音を響かせて
坂を上っていくと、数カ月ぶりでご無沙汰していたにも関わらず、いつもと
変わらぬ笑顔で「懐かしいなあ、この音!」と出迎えてくれた。
どうやらその日は、取材や撮影の人が来ていた様子で、奥さんは畑で草取り、
オーナーは取材者や私たち一般客と淡々と話をしながら、焦る風もなく注文
を聞くでもなく……。
「注文しても良いですか?」頃合いを見計らって、夫が声をかけると「あ、
いいですよ。」と厨房へ入っていったオーナーを同時に見て、顔を見合わせ
て苦笑。他の店なら夫はきっと怒り出すだろうにと、互いに思うことは同じ。
敷地内で摘んだハーブをブレンドしたハーブティは薫り高く、ひときわ体に
優しくしみて、イチジクのタルトはいつもと変わらぬ懐かしい味がした。
アルバムからはがした、バイクと一緒に写っている30年くらい前の若き日の
写真を嬉しそうに見せて、オーナーは人なつっこそうに笑った。初めて来た
人にも、おなじみさんにも無理なく変わらぬ態度で、相手が誰であるかとい
うことなど気にもとめていない様子に、私だけでなく、ここに来る誰もが不
思議な安堵感を覚えているのだろう。
朝が来て、働いて、暗くなったら眠り、また朝が来る。そんな当たり前の日
常を、懐かしく思い出させてくれる空間がここにある。
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