更新日:2003.08.10 

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SOHOと年齢 実録だよ♪ 40歳からはじめるSOHO
by NON 

▼その2 人生観のスペアを用意するのだ!--------------------------


 友人から電話があった。幼なじみのチーちゃんだ。

 チーちゃんは、極道の娘だった。ゴチャゴチャの家庭から逃げ出すように、
 私が学生生活を送る京都にやってきた。お金は、ほとんど持ってなかったと
 思う。でも 1年もしないうちに、心斎橋の老舗デパートにデコレーターとし
 て採用されたから、造形的センスはなかなかのもの。当時、体重38キロ。喜
 太郎のコンサートのPAスタッフと恋に落ちて、インドで挙式(サリーが、似
 あってた)。そして東京に新居を構えたのです。めでたし、めでたし。

 で、終わらないのが現実なんだよね〜。

 あ、いいえ、チーちゃんは離婚してないし、子どもは素直。極道のパパも亡
 くなって、こう言っちゃなんだけど一安心。もちろん、今もオシャレ。な〜
 んも、変わってない。ただひとつ。体重が、78キロになったことを除けば。
 はい、20年前の 2倍です。オシャレだけど、顔が変わった。すべての造作が、
 肉の中に埋もれている。「もう、愛されていない」。彼女は、電話の向こう
 で号泣した。今までで一番、不幸な声だった。

 太った女性はいくらもいるし、そのままで幸福な人もいるかもしれないが、
 彼女のアイデンティティが、華奢な肢体とともにあったことを思うと辛い。
 ダンナさんは、繊細な内面だけでなく、繊細な肉体も愛していたのだから。

 時は、人を裏切る。残酷に裏切る。一生懸命生きていれば、報われるなんて
 ウソだ。私は、何人かの友人たちを見て、つくづくそう思う。だから、不幸
 を逆手にとらねば!不幸の胸元をつかんで、ひねりあげ、その勝ち誇った顔
 にこう言ってやろうじゃありませんか!「フン、屁とも思わないね」(品が
 悪くて、ごめんあそばせ)。必要なら、人生観を変えてでも戦いましょうぞ。
 
 40歳は折返し地点。若い頃に作った「人生観」では、対応できない事態が増
 える。繊細一本で来た人は横着路線に、マジメ一本で来た人は、いささかグ
 レた路線に、責任路線をひた走ってきた人は勝手路線に、スペアの人生観を
 用意したほうがいい。でないと擦り切れる。鬱る。絶望することだってある。

 ちなみに私は目下、スペアの人生観を使用中。スペアのほうには、血気盛ん
 な野望や壮大な夢や怒涛の情熱は、ない。そういったもろもろは、古いほう
 の人生観に置いてきた。時折、それでよかったのかなあと不安になるが、ま
 あ、しばらくは、これでやっていくつもりだ。チーちゃんも、早くスペアを
 みつけてほしい。もしくは、ダイエットを敢行し、繊細路線を固持するか。
 どちらの彼女も、きっと魅力的だと思う。



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