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▼その3 ゼロからはじめよう!-----------------------------------
ゼロに戻すのは、勇気がいる。鬱々とした主婦時代、「なんとかゼロに戻さ
ずやっていけないだろうか」と往生際悪く考えていた。劇団時代の友人と、
地方自治体で演劇講座なんかをやっていた頃だ。でもね、劇団抱えて前線で
格闘している「当事者の輝き」はなくなっていたと思う。「こんなのって 2
流だな」と思った。3流かもね。イヤになった。
で、潔くゼロに戻したか?いえいえ、なんのなんの。まだ「過去の自分」に
こだわった。なんとか「過去比率ゼロ」でなく「過去比率30くらい」で勝負
できないかものかと考えた。かつて新人向けの戯曲賞に応募して50万円もらっ
たことを思い出した。そうだった、そうだった!その手があったじゃないの。
よ〜し、いろんな賞に応募するぞ〜。賞金、ガッポガッポだ。あっはっは。
ネットで情報を集め始めた。1999年頃のことだ。
言いたくないけど、結論から言っちゃうわ。ダメだったの、全然。ひとつだ
け本に掲載するといわれたけど生意気にも断った。タダだったし。タダには
辟易していたから。あるエッセー賞発表のときは、実家の長崎にいた。夫が
電話で報告してくれる。「残念ながら、あなたの作品は…」。そのとき目の
前のテレビは、来年の NHKテレビ小説の宣伝をしていた。脚本家は、同じ学
校を卒業し、よくイベントで対談した旧知の男性劇作家だった。うわあ、天
国と地獄じゃん!勝者と敗者じゃん!これって情けなさすぎ〜。好むと好ま
ざるとに関わらず自分はゼロなんだと、このとき思い知ったね。
あ、でも、いいこともあったのです。思わぬ副産物。カネボウの「ウ−マン
ズ・ビート大賞」ってご存知?女性の人生を描いて応募するもので、グラン
プリ賞金は1000万円。書きました、コツコツ。最後は徹夜して仕上げて、雨
のなか郵便局に走って出したなあ。ダメだったんだけどね。でも、予想もし
ない変化が起こった。自分の過去をていねいに振り返り、書き綴ったことで、
気持ちに変化が現れたの。前向きな私を発見して、私がびっくり。「過去比
率?ゼロでええやん」新しい私が、そう結論を下した。2000年、38歳でした。
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