更新日:200410.10 

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SOHOと年齢 実録だよ♪ 40歳からはじめるSOHO
by NON 

▼その9

種を蒔いたとき、花はどこにもない


  文章フェチの私。書かれている内容よりも、文章そのものにこだわる。そん
  な私が尊敬する文章家は3人。内田百けん、武田百合子、東海林さだお。私の
  本棚には、昔読んで今はホコリをかぶった演劇&現代思想関係のハードカバー
  とミステリーと犬関係の本と、この御三方の本が並んでいる。泊りがけで来
  た友人が、「ちょっと本、借りるね」と言って棚をのぞくが、決まってこう
  言うのが気になる。「東海林さだおでも、読むかな」。え!?でも?「くだ
  らない本だが、時間つぶしにはちょうどいいか」的な妥協のニュアンス。わ
  かっちょらんな。君のような者に限って、大文字の「芸術」に弱いのだよ。
  東海林さだおの偉大さが、わからんか!と、心中穏やかでない。

 私は、東海林氏のエッセーはほとんどすべて持っているが、なかでも「なん
  たってショージ君」という厚さ5センチにも及ぶ文庫本は ヒジョーに大切に
  している。敬愛する氏の仕事場写真が載っているし、ロングインタビューが
  読めるからだ。「僕の漫画って、農作物みたいなものなんですね」と彼は、
  言う。漫画をエッセーに置き換えてもいいだろう。どういうことかというと、
  約500ほどのアイデアをメモしたノートが554冊(アイデア数27万!)あり、
  「ときどきめくりながら水をやったり、肥やしをやったりしていると、だん
  だん大きくなっていって、実がなってくる。それを刈り取っていくわけです。」

 さらに「僕の場合も、たまに締切りぎりぎりになって、慌てるときがありま
  す。(中略)当日、種蒔いて、一日で刈り取ろうとすると、あおいだり、ひっ
  ぱたいたりして早く育てようとしても、なかなかうまくいかない」。ここま
  で読むと、私はひれ付すように頭を垂れる。「おっしゃるとおりです。一日
  促成栽培は、ほんとにうまくいきません。」と懺悔する思い。偉業というの
  は1つのアイデアが27万になるまでの積み重ねがあってこそなのだと知る。
  そして思うのだ。イチローだってそうじゃなかろうか。小学校3年から種を
  蒔き、水をやり、肥やしをやってきたのだ。だからこその大記録!!

 折りしも昨日、ベランダの鉢にチューリップを植えたのだが、そこに見える
  のは土だけ。花はどこにもない。これを仕事や人生に例えると、成果はまる
  でゼロの状態。しかし、ここで水やりを忘れないのだ〜!日々、見回り、見
  守り、水を与え、球根だから肥やしはいらないが、まあ、いろいろかけられ
  る手はかけるのだ。

 人間関係も同じかもね。少人数のオフ会、ちょっとしたセミナー…。一度行っ
  ただけじゃ、人間関係は広がらない。でも、種を蒔きに行くと考えれば?そ
  して水をやれば?ひとつの種に大きな期待をかけて水をジャブジャブ与えて
  根腐れさせるのでなく、ちょっとずつ種を蒔いて、天気に応じて、適度に水
  を与え続ける。そうしたら、いつかちょっとした菜園(仕事のネットワーク)
  が、できているかもしれない。
 
  実りの秋、読書の秋。東海林さだお大先生のお言葉を、ソファに寝転んだま
  まポテトチップスとともにかみしめつつ、努力を誓う今日このごろです。
  (姿勢がなっちょらんな)。



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